第1章売春島
これは、私が某出版社に投稿し、記事が10年史特大号トップになったものから抜粋したものです。現在もっと詳しく書いた原稿を執筆中です。
今詳しく書いている長編の原稿には、全て掲載する予定なので、楽しみにしてもらえたらなあと思っています。
それでは、短い抜粋した記事から。
売春島から逃げ出すには、この海を泳ぐしかなかった。
第1章
真夏のくせに水が冷たい。波は高くないから油断していたけど、こうして泳いでみると海はプールと明らかに感覚が違う。前に進んでいる気がしない。そうか、潮の流れってのがあったんだっけ。でも何だ、潮って?
もう引き戻せない。何が何でも陸にたどり着かなきゃ。もうこんな島にはいちゃいけないんだ。私は平泳ぎからクロールに泳法を変えた。そのときまた少し水を飲んだ。苦しい。