seikox’s diary

掲示板 http://9205.teacup.com/seiko/bbs 島に売られ泳いで逃げてきた女の復讐戦。人権問題、性被害に関心ある方、参戦ください

第7章船着き場には見張りの男がいた

その日の昼過ぎ、私は旅館の外に出て、島から逃げられるかどうか確認するため、海に向かって小道を歩いた。ジリジリと日差しが照りつける。昨日は暗くてわからなかったけど、この島は本当に何もない。時間が止まっている。10分ほど歩いて、少し離れたところから船着き場の様子を見てみると、そこにはいかにもヤクザ風の男が2人立っていた。

こらアカン、見張られてる。やっぱり私はここにいなければならないのか。私はトボトボと雑魚寝部屋に戻った。新入りを珍しがって、バアさんたちが話しかけてくる。

「あんた、若いからすぐ帰れるやろう」

「ここは女を買いに来る島なんや。昔からそうや」バアさん連中が言うには、●●●島は、売春で成り立っているような島で、観光や釣りに来る客はわずか。他はみんな女のためだけにやってくるんだそうだ。

三嶋はそれを知っていて私を旅行に誘い、200万の金を受け取って逃げ去った。この状況では、そう理解するしかない。なんて野郎なんだ。夕方になると、有紀さんが言ってたとおり物売りのおばちゃんが、トレーナーや香水、洋服などをボストンバッグに詰め込んで部屋の中に入ってきた。

女将さんが横について、色々とすすめてくる。「メグミちゃん。このバッグ、いい物だから買っておきなさい」30万円もするシャネルのバッグ。こんなの持って島のどこに行けと、いうんだろう。「私、お金持ってないから…」「買ったほうがいいわよ。お金は後でいいから」もうどうにでもなれという感じだった。この旅館で暮らす以上、女将さんの機嫌を損ねるワケにもいかないだろう。

「じゃあ、買います」「あ、そう。それじゃこれ書いて」答えた瞬間、女将さんは1枚の紙をとりだした。30万円の借用書だった。